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COLUMN

AI受託開発会社の選び方|「何を作るか」より「何を実現するか」を一緒に定義できる会社を選ぶ

AI受託開発会社の選び方

AI受託開発会社を選ぶとき、最も重要なのは「AIに詳しいか」だけではありません。何を作るかではなく、そのシステムを通して何を実現したいのかを一緒に定義できる会社かどうか。ここが、開発の成否を大きく左右すると考えています。

AI受託開発というと、モデル選定やLLM、RAG、AIエージェントなど技術面に注目しがちです。ただ、個人的には、AI受託だから特別に違うというより、システム開発会社として当たり前にやるべきことを、AIを使う場合でも同じように徹底できるかが重要だと考えています。

※本記事には、当社の実務経験に基づく個人的な見解を含みます。

AI受託開発会社の選び方で最初に見るべきこと

最初に確認したいのは、依頼内容をそのまま受け取る会社なのか、それとも「なぜそれを作るのか」まで確認してくれる会社なのかです。

例えば発注者が「この機能を作ってください」と依頼し、受託側が「分かりました」とそのまま開発を始める。これだけでは、そのシステムが何のために使われ、最終的に何を達成すべきなのかが曖昧なまま進む可能性があります。

結果として、完成したものが使いづらい、当初の目的を達成できない、途中で必要な機能が次々と増える、最終的に大きく作り直す、といったことが起きます。

私自身、周囲の開発案件を見ていて、こうしたケースは珍しくないと感じてきました。

「何を作るか」より「何を実現したいか」を先に決める

重要なのは、仕様書を先に完璧に作ることではありません。

何を解決したいのか。その結果、どういう状態になれば成功なのか。

ここを発注者と受託会社が一緒に明確にすることです。

目的が分かれば、必要な機能を減らせるかもしれません。そもそも独自開発ではなく既存SaaSで十分かもしれません。AIを使う必要すらない可能性もあります。

逆に目的が曖昧なままだと、どれだけ技術力が高くても「正しいものを速く作る」のではなく、「間違ったものを速く作る」ことになりかねません。

AI受託だから特別、という話ではない

この考え方は、AI開発に限った話ではありません。システム開発会社全般に言えることです。

AIを使うか使わないかに関係なく、目的を理解し、要件を整理し、途中で認識差を潰し、品質を担保して本番運用までつなげることは必要です。

その意味では、「AI開発会社だからここが特別」という点は、個人的にはそれほど多くないと思っています。

AI開発で追加して確認したいのは、データの扱い

強いてAI開発特有の論点を挙げるなら、データをどこまでAIへ渡してよいのかを明確にしているかです。

顧客情報、個人情報、社内の機密情報などを、どのAIモデル・どの環境へ送信してよいのか。外部サービスへ送ってはいけない情報は何か。ログに何を残すのか。誰がアクセスできるのか。

「AIだから全部入れてよい」ではなく、データ分類と利用範囲を事前に定義する必要があります。

経済産業省のAI事業者ガイドラインでも、AI開発におけるセキュリティ・バイ・デザインや、AIシステムの特性を踏まえた管理の重要性が示されています。

誰が担当するのかも重要

会社名や実績だけでなく、実際に誰と会話し、誰が要件を整理し、誰が設計や判断をするのかも確認した方がよいと思います。

特にAIによって優秀な個人の生産性が高まるほど、「会社に発注する」というより「この人に任せたい」という指名発注が増える可能性があります。

重要なのは、担当者が技術だけでなく、事業や業務の目的を理解し、それを実装へ変換できることです。

AI受託開発会社を選ぶときに確認したい7項目

  • 「なぜ作るのか」を確認してくれるか
  • 最終的な成功条件を一緒に定義できるか
  • 要件変更が起きたときに目的へ立ち返れるか
  • 実際に担当する人と直接話せるか
  • テスト・レビュー・リリース体制が明確か
  • AIへ入力するデータの範囲を定義しているか
  • 完成後の運用・改善まで考えているか

発注者側も「仕様」より「目的」を準備する

発注者側が最初から完璧な要件定義を用意する必要はありません。

むしろ、「今何に困っているのか」「どうなれば成功なのか」「なぜ今やるのか」を整理しておく方が重要です。

その上で、受託側が質問を重ねながら、技術的な要件へ変換していく。このコミュニケーションができるかどうかが、良い開発会社を見極める大きなポイントだと思っています。

BLP型FDEでは、作る前に「そもそも何を解決するか」から入る

BLP型FDEの公式定義・支援範囲はこちら →

BLP型FDEでは、最初からAI開発ありきでは考えません。

会社の目的と課題を確認し、システムを作るべきなのか、既存ツールを使うべきなのか、業務を変えるべきなのか、別の手段を取るべきなのかを考えます。

AI開発は、あくまでもその中の一つの手段です。

FDEとは?Forward Deployed Engineerの役割と、なぜ「誰でもFDE」は難しいのか →

AI開発でシステム開発会社の「実績」がより重要になる理由 →

まとめ:AI受託開発会社は「目的を一緒に考えられるか」で選ぶ

AIの技術力はもちろん重要です。ただ、それ以前に、そのシステムを通じて何を実現したいのかを一緒に考えられる会社かどうかが重要です。

言われたものをそのまま作る会社ではなく、目的を確認し、必要なら依頼内容そのものを問い直してくれる会社を選ぶ。

私は、それがAI受託開発会社を選ぶ上で最も重要なポイントの一つだと考えています。


参考:
経済産業省 – AI事業者ガイドライン(第1.2版)
OpenAI – Forward Deployed Engineer – Tokyo